事業計画概要
津軽圏域中央部の計画地域内市町村における水需要は、生活水準の向上、人口増加、都市機能の発展等を反映して年々着実に増加しています。今後も引き続き増加するものと見込まれることから、新規水源の確保が地域内共通の課題となっておりました。また、水道水源としての地下水は、水質、水量ともに不安定なものが多く、安定水源への転換が急務な実情がありました。
現在の状況を抜本的に解決するためには、地域内における水需要の動向を勘案し、新規水源を建設省が岩木川水系浅瀬石川に建設中の浅瀬石川ダムに求め、同地域内の市町村が津軽広域水道企業団を設立の上、一致協力して水道用水供給事業を実施し、安定した生活用水の供給を図ることとしたものです。この事業計画の目標年次は、地域内の水需要を考慮するとともに、長期的見地から昭和70年度(平成7年度)としました。
地域内の総人口は、昭和45年363,000人、昭和50年373,000人、昭和60年385,000人と着実な増加を示しておりますので、将来の人口は、地域内の開発計画、定住圏計画等により、人口の増加が進むものと考えられることから、平成7年度において429,000人と予測しました。また、地域内の1人1日最大給水量は、昭和45年259リットル、昭和50年327リットル、昭和55年344リットル、昭和60年374リットルであり、今後とも引き続き下水道の整備に伴う水洗化の普及、生活水準の向上等による生活用水の増大、都市化の進展に伴う都市活動用水の増大が見込まれるところから、昭和70年度では502リットル(1日最大給水量215,500立方メートル)と推計しました。
本水道用水供給事業は、昭和49年度に事業経営認可を受け、調査設計に着手し、昭和56年度から昭和62年度までの間に取水、導水、浄水、送水の各施設を建設の上、昭和63年11月1日から構成11市町村への水道用水の供給を開始することとなったものです。ただし、昭和63年11月1日からの水道用水の供給開始については、過大な先行投資を避けるため、浄水施設能力を、計画1日最大給水量123,500立方メートルの4分の2に当たる61,750立方メートルに抑えたものであります。第1期工事完成後、引き続き増大する水需要に対応するため、平成2年度から平成4年度までの3か年計画で、第2期工事に着手、平成5年3月に完成。施設能力は全体計画の4分の3に当たる92,625立方メートルとなりました。
さらに今後は、構成11市町村の水需要の状況を的確に判断し、第3期工事として浄水施設の拡張を図り、計画1日最大給水量を123,500立方メートルとする予定です。
計画主要諸元(創設時)
項目 | 内容 |
---|---|
事業名 | 津軽広域水道企業団水道用水供給事業 |
水道用水供給事業 経営認可年月日 |
昭和49年8月7日 |
津軽圏域中央部広域的 水道整備計画策定年月日 |
昭和54年10月23日 |
計画目標年次 | 昭和70年度 |
給水対象市町村 | 弘前市・黒石市・五所川原市・藤崎町・尾上町・浪岡町・平賀町・常盤村 田舎館村・板柳町・鶴田町(3市6町2村) |
計画給水人口 | 429,000人 |
計画全体日最大給水量 | 215,500立方メートル(うち企業団給水量 123,500立方メートル) 自己水源給水量 92,000立方メートル |
計画一人一日最大給水量 | 502リットル |
計画日最大取水量 | 132,800立方メートル(企業団取水分) |
施行年次 | 昭和49年度〜昭和65年度 調査設計 昭和49年度〜昭和56年度 工事 昭和56年度〜昭和65年度 |
給水開始年月日 | 昭和63年11月1日 |
水源の種別 | 特定多目的ダム浅瀬石川ダム貯留水 |
事業主体 | 津軽広域水道企業団 |
総事業費 | 39,600百万円 |